経済力の差
私はカロリーナやブローシャと色んな話をしていましたが、その時、日本とポーランドの間にある経済力の格差について、多くのことを考えさせられました。
例えば、ブローシャの旦那さんを初めとする一般の人たちの平均月収は、約300ユーロほど。
日本円で約30,000円くらいということです。
これは、日本で週3回ほどアルバイトをした程度の金額にしかならないでしょう。
一方、パソコン1台のお値段が約600ユーロ。
これは日本と同じくらいだと思いますが、そうすると、私たちがお小遣いを貯めれば買えるものを、彼らは2ヶ月分の月給を貯金して買う、ということになります。
ブローシャ一家の場合、親から受け継いだ持ち家があるので、そこで普通に暮らしていけます。
しかし、カロリーナの場合、賃貸住宅に住んでいるので、毎月家賃を支払わなくてはなりません。
しかも、彼女の職業は看護師ですが、月収がとても低い職業なのだそうです。
それ故、彼女はオランダとアメリカに出稼ぎに行ったこともあり、今度はドイツで仕事があるからそこに行く、とも言っていました。
私は4ヶ国を廻る旅で、何不自由なく過ごせるだけのお金がありました。
そんな旅は、彼女たちにとって、夢のまた夢です。
私はこの時ほど、経済大国が貧しい国に何ができるのかについて、真剣に考えなくては、と思ったことはありませんでした。