精神疾患の克服を実感
人が旅をする時、その旅の目的が様々であることは言うまでもありません。
私の場合は、観光、友達との再会、そして何より、精神疾患の克服を確認する、ということが旅の大きな目的でした。
私がイギリスで病気になって帰国し、それからの10年は精神疾患と闘いながら過ごしました。
うつ状態を発症し、その後、様々な不安障害を併発させたことにより、全てを克服するまでに、10年を要することになったのです。
私は心のどこかで、イギリスに行ったことで全てが悪い方向に転がった、という気持ちを抱えていました。
しかし言うまでもなく、イギリスが国を挙げて私をいじめたわけではありません(笑)。
私自身が問題を抱えていたから、病気になったのです。
私はイギリスで作ったトラウマだけでなく、様々な原因不明の症状に悩まされ、外に出ることにすっかり憶病になっていました。
しかし、前向きに闘い続けた成果がここ2~3年で現れ始めていました。
それならば、今度はヨーロッパに戻り、本当に自分が心の問題を克服できたのかを確かめなくてはならない、と思ったのです。
そして、実際にヨーロッパで時を過ごしてみて、それまで考えてもみなかった新しい発見や出会い、自分の新たな面を見つけることができました。
私は、自分が何箇所の観光地に訪れたとか、どんな買い物ができたか、ということよりも、3週間を無事に幸せに過ごせたこと、それが何よりも嬉しかったです。