そしてパリに舞い戻る
夢のようなひと時をアリカンテで過ごした後、曇り空のパリに到着しました。
気持ちは、今回の旅で一番暗くなっていました。
太陽も輝き、何もかもが綺麗に彩られた、陽気なアリカンテと比べると、パリはあまりに陰気な感じに思えてきましたから。
それに、旅もラストに近づいていて、まだまだ名残惜しい、ということもありました。
ジェムとも別れたばかりで、暫くは会えません。
そんなマイナス思考が頭をもたげても、とにかく歩き続けなければならない、と自分に気合を入れ直し、到着したオルリー空港から、バスで市街地に移動しました。
オルリー空港はパリの南側に位置し、パリ中心までタクシーで行くと、恐らく目が飛び出るほど高くつくでしょう。
私はインフォメーションセンターで、安くて乗換の少ないルートを教えてもらい、オルリーとシャンゼリゼを結ぶシャトルバスを選ぶことにしました。
そして、バス停を降りてからはタクシーでホテルへ。
繁華街から一歩入ったところにある、落ち着いた雰囲気のホテルです。
■ホテルの部屋
部屋に入ると、異様に高さのあるベッドがあり、あとは荷物を広げるスペースがあまりありませんでした。
しかし、モダンな造りで清潔で、まぁまぁくつろげる雰囲気ではありました。
一人でパリに到着し、あとは家族へのお土産を買い足しに奔走することくらいしか思いつかず、何とも気の重い夜を迎えました。